こんにちは、交通事故専門士の石田です。
今日は4大任意保険の3つ目、搭乗者傷害保険について説明させていただきます。
搭乗者傷害保険は、これに加入している自動車に乗っている人(搭乗者)が、交通事故によって負傷したり死亡してしまったときに、過失に着目せず補償がなされます。
このとき”搭乗者”とは、
- ・自動車の運転者(搭乗者)
- ・助手席や後部座席の同乗者
のことです。
また、この保険を使用しても保険の等級が下がらないという特徴があります。等級は1~20まであります。無事故が継続している優良なドライバーには毎年保険料を安くし、事故で保険を使用したドライバーには保険料を引き上げるんです。
これを”ノンフリート等級別料率”といいます。等級の数字が大きいほど、割引率も高くなります。最初は6等級から始まり、1年間無事故であれば毎年1等級ずつ上がり、保険料の割引率も引きあがります。
またこの保険は、損害賠償金や自賠責保険、その他傷害保険などとは関係なく支払われますし、請求した後も他と比べると容易に保険金が支払われる傾向にありますから、これは利用者にとっては非常に嬉しい制度ですね。
相手の保険で自分の施術費などが全部支払えると、自分の保険を使用しない方も多いんです。上で説明した”ノンフリート等級”が下がるのを心配されるからですね。しかし、搭乗者傷害保険ではその心配はありませんから、積極的に利用していただいた方がいいんですよ。
また、搭乗者傷害保険の補償範囲についてです。搭乗者傷害保険の補償がなされるのは、『正規の乗用車構造装置のある場所に搭乗中のもの』に限られます。
それは例えば・・・
- ・軽トラの荷台に乗せてケガをしてしまった。
- ・車から顔や手など身を乗り出していたら怪我をしてしまった。
- ・暴走族のような危険運転をして怪我をしてしまった。
などです。
搭乗者傷害保険は前回説明したように積極的に利用していただきたい保険ですが、危険な運転ではもちろん使えませんから、ご注意くださいね!
次に、搭乗者傷害保険の支払い方法についてです。それは2種類あります。
- ①日数払い
- ②部位症状別払い
これはどちらも、契約額を上限にして一定の額が支払われる“定額払い”です。
①の日数払いは、入院の場合1日につき契約額の0.15%、通院の場合1日につき契約額の0.1%が支払われます。ですが、これは入院または通院にかかった全日数分が補償されるのではなく、“平常の生活”“業務に従事できる程度”に回復するまでの日数分のみ支払われます。
つまり、怪我の程度が重いほど全額が高くなります。ですが、その回復状態を定義してはっきり言うことは難しいんです。ですから思っていたよりも全額が低くなってしまうこともあります。
一方、②の部位症状別払いは、回復するまでの日数に関係なく、
- ・むちうち・・・5万円
- ・腕の骨折・・35万円
- ・足の切断・・100万円
などと、このように部位の症状ごとに全額が決まっています。
①と比較すると、基準がとてもはっきりしていてわかりやすいですね。ですが、施術日数が長くなると、②よりも①の金額のほうが高くなりますから、重症の場合は①のほうがいい場合もあるんです。
どちらがいいかを断言することはできません。状況に応じて一緒に考えていきましょう。また、保険のプランによっては元々支払い方法の規定があることもありますから、よく確認したうえで決める必要がありますね。
次回は4大任意保険の4つ目、人身傷害補償保険について説明させていただきます。
にほんブログ村 人気ブログランキングへ